学会テーマ「心の時代、今 −わたしたちに何ができるのか?−」
学会長 長尾 真伸 (ほうゆう病院)
心の時代、今 〜私たちに何ができるのか?〜
第19回学会はこのテーマのもとで開催されます。
本学会は立ち上げから精神科に縁のある作業療法士が実行委員として集まり準備をしてまいりました。
当初から「心」について考える機会にできないか?精神科の特色を出した学会ができないかという言葉がキーワードとして飛び交いました。
私たちの生きている「今」は、様々な心の問題を内包しています。
学校で起こっていること、いじめ、不登校。厳しい経済情勢のなかでのストレスの問題、働き盛の自殺。高齢化の問題、認知症といかに向き合うか?転じて介護疲れ。他にも、ストーカー。DV。PTSD。
精神的な不均衡に起因する様々な事柄や事件はメディアを通して毎日のように報道されています。
このことは人生のどの時期にも、そしてどんなところにも、常に「心」の問題はあるのだということを示唆しています。
「今」を生きる私たちは、こういった事柄にどう向き合ってゆけば良いのでしょう?
以前会報等で、私の身の上について少し触れました。
自身、精神科とは人生の大半をともにしてきた経緯があります。
精神科病院での体験は私にとって大きな礎となっていますが、それ以外のところでも、私自身前述した問題の多くを個人的に体験してもきました。「心」の問題はどこか知らないところで起こっているのではない。
極めて身近なところにあるのだよ、ということを身をもって体験してまいりました。
ですから、このテーマは私自身のためにあるのだとさえ思えるのです。
学会の冒頭で少し語らせていただければと考えております。
さて、今回の学会は、広島県作業療法士会が一般法人となってから初めての学会となります。
一般法人になったからといって公益性が損なわれるものではありませんが、ある程度、私たち作業療法士自身のための学会ということも可能とのことで、企画では従来の学会とは少し違った色合いを出せればと考えております。
様々な思いを乗せて学会は開催されます。
日々全力で駆けている私たちですが、少し立ち止まり、触れ、感じ、考え、共有し、そして少しでも日々の仕事の活力につながる学会になればと考えております。
学会に対するご理解とご協力をお願いいたしますとともに、多くの皆様のご参加をお待ちしております。
では、会場でお会いいたしましょう!
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